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顧客データ分析:基礎から実践まで

目次

はじめに

マーケティングやサービス向上では、顧客データをどう集めて、どう分析し、施策につなげるかがポイントです。とくに“顧客データ 定性分析”は、数字に隠れたお客様の考えや行動背景を探るうえで注目されています。本記事では、定量データと定性データの違いを整理し、定性分析の収集方法からWeb改善までのステップ、さらにデータ管理ツールの活用例までを順に紹介します。

顧客データの基本

定量データの特徴と活用例

定量データとは、数値で表せる情報を指します。これを使うと、顧客属性や行動パターンを客観的につかみやすくなります。たとえば購入回数や購入金額、Webサイトのアクセスログ、選択式アンケートの回答などが該当します。
主な使い道は、全体傾向の把握や比較分析、KPIのモニタリング、A/Bテスト結果の評価などです。

定性データの役割とメリット

定性データは、言葉や発言、行動観察など数字にしにくい情報を指します。これにより、顧客の本音や潜在ニーズ、サービス利用時のストレスポイントなどを深掘りできます。
とくに「VOC(Voice of Customer)」と呼ばれる定性データは、大量のテキストから洞察を抽出するのに役立ちます。

定量データ定性データ
主な形式数値例:購入頻度、金額、クリック数テキスト(自由回答)、発言、行動観察
利用目的傾向把握、数値モニタリング、比較分析背景理解、顧客心理の深掘り、仮説づくり
長所再現性が高い、比較しやすい新たな発見が生まれ、ユーザー視点が広がる
短所数字の背景が見えづらい分析に時間やコストがかかり、主観が混じる

データ収集方法と手法

定性・定量分析の主な調査手法

調査の目的やリソースに合わせて手法を選ぶと、効率的にデータが集まります。以下は代表的な例。

手法分類長所短所
デプスインタビュー定性深い心理理解が可能、追加質問に対応しやすいコストと時間がかかる
グループインタビュー定性参加者同士の意見交換で多様な視点が得られるファシリテーションが必要
自由回答式アンケート定性大勢から意見を集められ、定量設問とも併用可回答の深さにばらつきが出る
ユーザビリティテスト定性実際の操作を観察し、UIの課題を可視化環境準備や対象者募集に手間
データマイニング定量大量データからパターンを発見因果関係がつかみにくい
ビッグデータ分析定量大規模データの高速処理が可能システム構築や保守に専門知識が必要
選択式アンケート定量即時集計・グラフ化が簡単表層的な回答にとどまる場合がある
A/Bテスト定量因果関係を検証しやすい十分なトラフィックや期間が要る
アクセスログ解析定量実際の行動履歴を網羅的に取得定性要因は読み取りにくい

定量データの収集方法

手法特徴主な用途
Web解析ツール自動で大量の行動ログを収集・可視化ページ遷移分析、離脱ポイント検証
選択式アンケート定量設問で多くの回答を集めやすい属性調査、満足度スコア測定
POS/CRMシステム購買履歴やチャネル別売上を一元管理RFM分析、LTV算出

定性データの収集アプローチ

デスクリサーチ(コスト低・導入容易)

既存のレポートや文献、SNS投稿などの二次情報を活用し、業界動向や競合事例を把握します。

  • 長所:低コストで短時間に広範囲の情報を取得
  • 短所:情報の最新性が保証しづらく、ピンポイントの調査には不向き

自由回答型ウェブアンケート(深掘りに工夫が必要)

選択肢に加えて自由回答欄を設け、顧客の感想や要望を集めます。設問次第で定量分析と組み合わせられます。

  • ポイント:質問は具体的で誘導しない文言にし、回答者の属性管理とフォローアップが重要です。

インタビュー調査(個人/グループ形式)

形式内容長所短所
デプスインタビュー1対1でじっくりヒアリング深い心理理解が可能、追加質問しやすいコスト・時間がかかる
グループインタビュー4~8名で座談会を実施参加者同士の意見交換で新たな視点が得られるファシリテーションが必要

ユーザビリティテスト(UI/UX改善に)

実際にタスクを依頼し、画面操作を観察。使いづらい部分や理解しにくい点を明らかにします。

  • ツール例:UserZoom、Lookback
  • 成果例:離脱原因の特定、UI改善ポイントの発見
    また、専門家がガイドラインに基づき評価する「ヒューリスティック分析」もあります。

顧客データ分析の代表的な手法

セグメンテーション分析

顧客を属性や行動パターンでグループ分けし、それぞれに合った施策を打つ手法です。

セグメント例分析軸具体施策
新規顧客購入回数=1、初回購入日初回限定クーポンを提供
高頻度・高額顧客購入頻度・購入金額が上位層VIP向けセール招待、優先サポート案内

RFM分析で顧客をランク分け

Recency(最終購入日)、Frequency(購入頻度)、Monetary(購入金額)の3軸でスコア化し、顧客を分類します。

  • 各指標を1~5点で評価
  • 合計スコアでグループ分け
  • 例:ロイヤル顧客、休眠顧客などに応じたコミュニケーション

バスケット分析による購買パターンの解析

同時に購入される商品組み合わせを分析し、クロスセルや陳列最適化に活かします。

  • 手法:アソシエーション分析(Aprioriなど)
  • 施策例:セット割引、レコメンド機能の強化

定性データを活かすWeb改善の手順

STEP1:目的の明確化と調査計画

  1. 調査目的を整理
  2. 手法選定(インタビュー、ユーザビリティテストなど)
  3. 計画設計(対象者選定、質問作成、サンプル数、予算、スケジュール)
調査目的取得情報の例
購入完了率が低い原因を知りたい離脱ポイント、フォームの使い勝手
新機能に対するニーズを探りたい要望機能、既存機能の満足度

STEP2:データ収集の実施

  • 発言の録音・録画許可を確認し運用
  • ウェブアンケートは事前にテストを行い設問をチェック
  • インセンティブや参加者フォローを準備

STEP3:データ整理とコーディング

  1. 逐語録の中で重要ポイントにマーク
  2. Excelや専用ツールでコードを整理
  3. コード間の関連を図式化
コード内容説明発言例
フォーム入力の煩雑さ入力項目が多く分かりにくい「項目が多すぎて途中で止めそうになった」
商品情報の不足詳細が足りずイメージしづらい「もっとスペックを詳しく知りたい」

STEP4:ストーリー作りと施策への落とし込み

  • 類似するコードをまとめ、ストーリーラインを作成
  • 分析結果をもとにサイト構造やUI、文言を改善

CVR改善に向けたLPO/EFOの実例

広告文→LP→フォームの各段階でユーザー行動を調べ、改善案をまとめます。

  • LPO(ランディングページ最適化)
    • 注目エリアを明示し、CTA配置を見直す
    • ヒートマップでスクロール深度やクリック位置を分析
  • EFO(エントリーフォーム最適化)
    • 入力のハードルとなる要素を削減
    • 説明文を簡潔にし、フィールド数を減らす
    • エラー表示の位置や文言をわかりやすく

顧客データ管理のコツとツール

汎用ツールの長所と注意点

ツール長所注意点
Excel/スプレッドシート導入コストがかからず手軽に集計可同時編集が難しく、大量データで動作が重くなる

SFAとCRMの違いと選び方

  • SFA(営業活動支援):リード管理から商談の進捗可視化が主な機能
  • CRM(顧客関係管理):顧客の育成や関係強化を目的に使う
    選定ポイント:
  1. データ量や更新頻度
  2. 利用目的(マーケ・営業・サポートなど)
  3. 既存システムとの連携可否
  4. 現場の使いやすさやUI/UX

CRM活用の事例:SAP Sales Cloud と Customer Data Cloud

SAP Sales CloudはERPと連携し、一元的な顧客管理を実現します。

主な機能内容
顧客マスタ管理名寄せや履歴管理、セグメント情報の蓄積
営業支援機能(SFA)リード管理、商談ステータスの可視化、アラート
AIレコメンデーション次の行動提案、クロスセル・アップセル支援
データガバナンス同意管理、個人情報保護、ログトラッキング

加えて「SAP Customer Data Cloud」では、同意ベースの個人情報管理とERP連携で経営情報を一元管理できます。

おわりに

顧客データ分析では、数値で捉える定量データと、お客様の声を深掘りする定性データの両方が欠かせません。とくに定性分析を取り入れると、数字だけでは見えないニーズや本音を掘り下げ、具体的な改善策を見つけやすくなります。この記事で紹介した手法やツールを活用し、PDCAサイクルを回しながら継続的にWebやマーケティングをブラッシュアップしていきましょう。

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