議事録作成を外注して工数削減!料金相場・AI活用・指示書の作り方完全ガイド

目次

はじめに

Web会議の普及により録音データが容易に手に入るようになった今、議事録作成の負担に悩む企業が増えています。「記録はあるが、活用できていない」という状況を打破するために、外注サービスの活用は非常に現実的な選択肢です。議事録の外注は、単なる手間の削減ではありません。プロの技術やAIを戦略的に取り入れることで、「担当者の工数削減」と「意思決定のスピードアップ」を同時に実現する投資となります。

本稿では、外注を検討中の担当者様に向けて、文字起こしの基礎から料金相場、失敗しない依頼の進め方までを簡潔に解説します。貴社にとって最適な「内製と外注のバランス」を見つける一助となれば幸いです。

文字起こしの基礎知識

文字起こしの概要と役立つシーン

外注を検討する際、まず理解すべきは「どのような形式で納品してほしいか」という点です。文字起こしには複数の仕上げレベルがあり、用途に合わせて最適解を選ぶことで、無駄なコストを抑えつつ最大限の効果を得られます。

用語概要向いている用途
素起こし発話を「えー」「あの」などのフィラーや言い直しも含め、一字一句そのまま記録証跡・調査、法務、研究用途
ケバ取りフィラーや言い淀み、重複を削って意味を損なわない範囲で読みやすく整える議事録・社内共有
整文(リライト)文法調整・語尾統一・語順の入れ替え・箇条書き化などで可読性を最大化配布用議事録、記事化、資料化
タイムコード付与指定間隔や発話単位で時刻を付与映像編集、監査トレース
話者識別(ダイアライゼーション)話者ごとにテキストを分離・ラベル付け会議・座談会、討論の分析

Point

文字起こしは単なるテキスト化ではなく「情報の見える化」です。後段の意思決定をスムーズにするために、適切な仕上げレベルを選びましょう。

必要になる場面の具体例(会議・取材・動画・セミナー など)

用途別に文字起こしの活用法をまとめました。目的をはっきりさせると、外注先に求める精度や追加要件(オプション)が見えてきます。

シーン目的活用例
社内会議・経営会議記録・責任追跡・アクション明確化決定事項一覧、タスク抽出、監査対応
顧客打ち合わせ要件定義・誤認防止議事メモ、NDA下での証跡
取材・インタビュー記事化・コンテンツ制作ロングフォーム記事、引用管理
セミナー・研修学習素材化・復習受講者配布資料、FAQ生成
動画コンテンツ字幕・アクセシビリティ多言語字幕、SEO向けテキスト
研究・調査資料化・定性分析コーディング(ラベリング)、定性データ解析
法務・コンプラ証跡・監査ヒアリング記録、調査報告の裏付け

どの場面でも、文字起こし結果をどう使うか(配布するのか、内部分析に使うのか)を最初に決めておくと、仕上げレベルや予算が定めやすくなり、外注後の手直し(社内工数)を最小限に抑えることができます。

外部委託の選択肢と向き・不向き

議事録作成を効率化するには、「社内で行うか」「ツールに任せるか」「専門業者に頼むか」の判断が重要です。それぞれの特性を理解し、会議の重要度や機密性に応じて使い分けるのが賢明です。

実施方法の3パターン

文字起こしは大きく分けて「社内手作業」「音声認識ツール活用」「専門業者依頼」の3通りが考えられます。それぞれメリット・デメリットが明確なので、用途とリソースに応じて使い分けるのが合理的です。

実施方法強み弱み向いているケース
社内手作業ニュアンスや社内用語を正確に判断できる。情報漏洩リスクが低い。本業の時間を大幅に圧迫する(1時間の音声に3〜5時間以上)。超機密案件、極めて短尺な録音。
AI・自動ツール圧倒的なスピードと低コスト。 リアルタイムでの字幕表示も可能。誤認識が避けられない。多人数のかぶり発話や難解な用語に弱い。定例会議の下書き、一次起こしのたたき台。
専門業者最高水準の品質と安定性。 整文やサマリー作成など柔軟な対応。費用が高め。見積もりや契約の手間が発生する。経営会議、株主総会、対外配布用の資料作成。

トレンドは「AI×人力」のハイブリッド運用

現在の議事録作成において、最も合理的とされているのが、最新のAIツールとプロの技術を組み合わせた「ハイブリッド型」の運用です。「すべてをAI」に任せる不安と、「すべてを人力」で受けるコストの双方を解決できます。

コストを抑える「黄金比」の活用

すべての音源をゼロからプロに依頼するとコストが高くなりますが、「AIによる一次起こし + 専門業者による校正・整文」というフローを組むことで、品質を維持したまま費用を30〜50%程度抑えられるケースがあります。

  • AIの役割: 90%以上の精度で素早くテキスト化。
  • 人間の役割: AIが苦手な「文脈の読み取り」「専門用語の正誤確認」「箇条書きへの整理」に特化して作業。

スピード重視のタイムライン例

ハイブリッド運用を採用することで、これまで1週間かかっていた議事録配布を大幅に短縮できます。

  1. 会議終了後〜3時間以内: AIツールにより一次稿が完成(即座に社内共有・たたき台として活用)。
  2. 24時間以内: 専門業者がAIの誤認識を修正し、ケバ取りを完了。
  3. 48時間以内: 最終的な整文とサマリー作成を経て、公式な議事録として配布。

Point

自社でツールを導入し、修正のみを外注先に依頼する「分業制」も増えています。委託先を選ぶ際は、ツールで作成したデータの持ち込みが可能かどうかも確認してみましょう。

外注が適しているケースと得られるメリット

外注は単なる「代行」ではなく、社内リソースをより創造的な業務へ振り向けるための「戦略的投資」です。

  • 重要会議のスピード配布
    経営判断に直結する議事録をプロに任せることで、情報の正確性と共有スピードが劇的に向上します。
  • 大量・専門的な案件
    連続セミナーや学術調査など、社内で処理しきれないボリュームや、高度な専門用語(医療・法務・IT等)が飛び交うシーンでも安定した品質が保てます。
  • 厳格なセキュリティ要件
    ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)等を取得している専門業者なら、NDA(秘密保持契約)のもと、安全にデータを預けられます。

外注時のリスク対策と契約のポイント

リスクへの備え

  • 情報漏洩対策: NDA締結はもちろん、データの受け渡しには暗号化ストレージを使用する。
  • 品質の担保: 事前に「表記ガイドライン」を共有し、初回は小規模なトライアルを実施する。
  • 納期遅延: 個人への依頼時は特に注意し、遅延時のペナルティやバックアップ体制を確認する。

適切な契約形態の選択

実務上の責任範囲を明確にするため、以下の違いを意識しましょう。

契約形態特徴議事録外注での運用
請負契約成果物の完成に対して対価を支払う。一般的な単発依頼。納期と品質(検収基準)を重視。
準委任契約業務の遂行に対して対価を支払う。定期的な会議への同席や、継続的な事務局サポート。

Point

契約書には必ず「データ消去の方法・期限」や「再委託の可否」を明記しましょう。

料金の考え方と相場感

議事録外注の費用は、単なる「録音時間」だけでなく、音質や必要な仕上げレベルによって変動します。コストパフォーマンスを最大化するために、料金が決まる仕組みと最新の相場を確認しておきましょう。

価格が決まる主な要素

価格に影響する主な要素を整理します。これらの要素を明確にした上で見積りを取ると、比較がしやすくなります。

要素影響の傾向
音質(雑音/遠い声/かぶり)音質が悪いほど単価は上がり、納期も延びる傾向
話者数・被り発話話者識別と精度担保のコストが増える
専門性(用語・固有名詞)用語調査や表記統一のための稼働が増える
納期(特急/当日)25〜100%程度の特急加算が一般的
仕上げレベル(素起こし/ケバ取り/整文)整文は最も高単価になる

課金単位ごとの目安

外注先によって課金体系が異なります。自社の予算計画に合ったスタイルを選びましょう。

課金単位目安相場特徴
分単価
(音声長)
・AI:0〜30円/分
・個人:60〜150円/分
・業者:200〜400円/分(一般)/400〜700円/分(高難度・特急)
最も一般的。見積りが直感的。
文字単価
(出来高)
1.0〜1.5円/文字(基本)/
2.0円〜(整文・難易度高)
無音が多い音源に有利。発話密度が高いと割高に。
時間課金
(作業時間)
3,000〜8,000円/時(校正・整文など)準委任・継続改善や伴走型、複雑なリライトを含む場合。

追加要件の影響

追加要件は費用に直結します。代表的な加算の目安を示します。

追加要件加算の目安備考
ケバ取り+10〜30%読みやすさを向上させる基本調整
整文(リライト)+30〜100%体裁調整や箇条書き化、見出し化を含む場合あり
タイムコード付与+5〜30%30秒/1分/発話単位など粒度で変動
話者識別+10〜30%多話者やかぶり発話で上振れしやすい
用語・固有名詞リサーチ+10〜50%分野や資料提供の有無で変動
要約・サマリー作成+20〜80%決定事項・タスク抽出など仕様により幅がある
機密対応(閉域/持込PC)個別見積り体制・環境コストを反映
多言語化・翻訳言語別日英や英日での目安は別途見積りとなる

賢く見積もりを取るためのコツ

無駄なコストを抑えつつ、納得感のある発注を行うためのポイントです。

  1. 仕様の固定
    仕上げレベル、話者数、納期を統一して複数社から見積もりを取る。
  2. サンプルの提供
    実際の録音から数分のサンプルを渡し、精度を確認した上で正式な見積もりを依頼する。
  3. ボリューム割引の交渉
    連続したセミナーや年間の定例会議など、まとまった案件なら「単価交渉」や「定額パック」の提案を受けられる場合があります。

依頼の進め方とチェックリスト

外注を成功させる鍵は、発注前の「準備」にあります。指示の曖昧さは、納品後の大幅な修正や追加費用の発生を招きます。以下のステップとチェックリストを活用し、スムーズな運用を目指しましょう。

依頼から納品までの5ステップ

現場では、途中チェック(サンプル納品)を挟むことで大きな手戻りを防げます。

フェーズ発注側の役割受託側の役割成果物
1. 準備目的・仕上げレベル・納期の定義、音源の用意要件のヒアリング要件定義書
2. 見積もりサンプル音源の提供、仕様の確定見積書・スケジュールの提示見積書
3. 契約・発注NDA締結、データ受け渡し方法の決定制作体制の確保契約書・注文書
4. 制作用語集・資料の提供、QA対応書き起こし・校正・整文制作物(初稿)
5. 納品・検収内容確認、修正指示、検収修正対応、最終納品、データ消去最終成果物

失敗を防ぐ「指示書」のチェックリスト

外注先に共有する指示書(または依頼メール)には、以下の項目を盛り込みましょう。これをテンプレ化しておくことで、担当者の引き継ぎも容易になります。

□ 基本仕様

  • 仕上げ: 素起こし / ケバ取り / 整文(リライトの程度を明記)
  • フォーマット: Word / Excel / テキスト 等
  • 納期: 希望日時(例:〇月〇日 17:00まで)

□ 記述ルール

  • 話者識別: 「話者A・B」とするか、フルネームや肩書きを入れるか
  • タイムコード: 付与の間隔(1分ごと、発話ごと等)
  • 表記揺れ: 算用数字か漢数字か、社内特有の呼称ルール

□ 情報提供とセキュリティ

  • 参考資料: 当日のスライド、アジェンダ、固有名詞や専門用語のリスト
  • 機密保持: データの保管期限、消去証明書の要否

トラブルを避ける工夫とリスク対策

予防的な措置を講じることで、実務上のトラブルを最小限にできます。

  1. 代表的な箇所で「事前トライアル」を行う
    音質の悪い箇所や、専門的な議論が行われている数分間を先に依頼し、仕上がりのイメージが合っているか確認します。
  2. 「検収基準」を事前に合意する
    「誤字率〇%以内」「専門用語の誤りは再修正対象」など、何をクリアすれば納品完了とするかを明確にします。
  3. データ授受はセキュアな経路で
    メール添付ではなく、パスワード付きの暗号化ストレージや、指定のファイル転送サービスを利用しましょう。

効率化のPoint

議事録の「見出し」や「決定事項のまとめ」まで依頼したい場合は、当日の配布資料を事前に渡しておくだけで、外注側の理解度が上がり、整文の精度が飛躍的に高まります。

おわりに

議事録作成業務の外注は、単なる事務作業の肩代わりではなく、「組織の意思決定の質とスピードを最大化するための投資」です。Web会議の普及によって私たちは場所の制約から解放されましたが、同時に膨大な「録音データ」という新たな課題も抱えることになりました。このデータを放置せず、プロの技術やAIを組み合わせて「価値ある資産」へ変換することで、担当者は本来注力すべきクリエイティブな業務や戦略的な判断に時間を割けるようになります。

まずは、社内における「内製・AIツール・専門業者」の使い分けの境界線を引くことから始めてみてください。本稿でご紹介した仕上げレベルの選定、料金相場の把握、そして詳細な指示書の作成という3つのポイントを押さえれば、外注による生産性向上は確実に実現できます。小規模な案件のトライアルから、貴社にとって最適なハイブリッド運用の形を見つけ出し、情報がスムーズに循環する強い組織作りへとつなげていただければ幸いです。

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