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展示会後のフォロー:事前準備と多様なアプローチで商機を拡大する方法

目次

はじめに

企業がイベントや展示会に参加する理由は、新しいリードを獲得し商談機会を生み出すためです。しかし、展示会当日に出会ったお客様との接触だけでは十分な成果を上げるのが難しい場合が多く、イベント終了後の継続的なフォロー―いわゆる「イベント後追い集客戦略」が大切になります。実際、初回のお礼メールによるフォローアップの効果が非常に高い一方で、その後のアプローチでは商談に結びつける難易度が上がる傾向があるため、迅速かつ効果的な対応が求められます。
本記事では、展示会終了後のフォローアップの基本的な意味や、電話、メール、ダイレクトメール、SNSなど各連絡手段をうまく活用した具体策、さらに事前準備のためのツールやシナリオ作成の例について、幅広く解説します。

展示会後フォローの重要性と目的

展示会で得た多くの名刺や接点情報は、適切なフォローアップを実施することで、将来の商談や受注といった大きなビジネスチャンスへと変わります。展示会では短い時間での対応となるため、その後のこまめなコミュニケーションが関係構築や信頼獲得に欠かせません。具体的な目的は以下のとおりです。

目的内容
リードの育成展示会で接点を持った見込み客に対し、継続的な連絡を通して関心を高め、購入意欲を引き出す。
信頼関係の構築感謝の意や役立つ情報の提供を通じて、お客様に安心感を伝え、ブランドへの信頼を深める。
商談・受注への促進お客様の現状や課題をしっかり把握し、最適な提案を行うことで、商談成立や受注に結びつける。

展示会後のフォローアップは、単なる「お礼の連絡」にとどまらず、段階的かつタイムリーなアプローチを実施することで、リードの育成と確実な集客効果を生み出す戦略的な施策となります。

各連絡手段を活かすフォロー方法

展示会後のフォローアップでは、対象のお客様の属性や状況に合わせて複数の連絡手段を組み合わせるのが成功の秘訣です。ここでは、各手段の特徴や具体的な活用方法、さらには自動化ツールを使った効率的な運用ポイントについても説明します。

直接電話によるアプローチ

電話での連絡は、相手の声を直接聞くことができるため、お客様の隠れたニーズや具体的な課題を短時間に掴むのに適しています。

  • 関心が高いお客様には、すぐに丁寧なヒアリングを実施し、個々の課題に合わせた具体的な提案がしやすくなります。
  • 初回のお礼メール送信後、メール内の反応(開封やリンクのクリック)をもとにリードを再評価し、早めに電話連絡へ移行することで、見逃しがちなホットリードをすぐにキャッチできます。
  • ただし、全てのお客様に直接電話をかけると工数やコストがかかるため、特に重要なお客様を絞って対応することが大事です。

メールを活用したコミュニケーション

メールは、たくさんのお客様へ一斉に連絡できるだけでなく、自動化ツールと組み合わせることで効率の良いフォローアップが可能です。

  • 感謝メールは、展示会直後の最初の接点として大切です。件名は「ご来場のお礼」や「展示会でのご訪問ありがとうございました」など、シンプルで印象に残るものが適しています。
  • 本文には、展示会での具体的なやり取りや製品・サービスの特徴、さらにセミナーの案内や詳細情報のリンクなどを含め、次のアクションへと誘導します。
  • メールの開封率やクリック数を分析することで、お客様の状況を再評価し、特に商談化しやすい見込みには個別対応を強化することも可能です。
  • シナリオメールを活用すれば、あらかじめ設定した条件に基づいて自動で送信できるため、営業担当者の手間を減らしながらも、柔軟なフォローアップが実現します。

具体的なメールテンプレート例

【商談化の可能性が高い見込み客向け】
<件名>【ご来場のお礼】先日の展示会でお越しいただき、ありがとうございます!
<本文>
〇〇株式会社の△△です。先日は弊社ブースにお立ち寄りいただき、ありがとうございました。
展示会では□□(製品・サービス)の概要をご紹介させていただきました。より詳しい情報や事例にご興味がある場合は、下記リンクをご確認ください。
【詳細資料URL】
また、直接ご説明の機会を頂ければと思いますので、ご都合の良い日時をお知らせいただければ幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。

【フォロー強化が必要な見込み客向け】
<件名>【ご来場のお礼】展示会でのご訪問に感謝いたします
<本文>
〇〇株式会社の△△です。先日はお時間をいただき、ありがとうございました。
弊社の□□(製品・サービス)に関する導入事例や、最新の業界情報をまとめた資料を下記URLよりご覧いただけます。
【導入事例・資料URL】
ご不明点などございましたら、どうぞお気軽にお問合せください。
今後ともよろしくお願いいたします。

ダイレクトメール・書面による個別対応

紙媒体を使用したダイレクトメール(DM)や書面は、デジタルとはまた違った特別感と丁寧さを演出できます。

  • 一部の調査では、ダイレクトメールは高い反応率を示す事例も報告されていますが、業界やキャンペーン手法により効果には差があるため、普遍的な数字として捉えるのは難しいものがあります。重要なお客様へはプロモーション資料やカタログの送付が効果的です。
  • ただし、作成や郵送にかかるコストや手間を考慮して、送る対象はしっかりと絞る必要があります。

オンラインツールやSNSを用いた連携

SNSやその他オンラインツールを活用すると、最新情報をリアルタイムで発信できるほか、お客様との双方向のコミュニケーションも促進されます。

  • 展示会直後には、SNSで展示会のハイライトや新製品の情報、オンラインセミナーの案内などを発信し、お客様の関心を持続させることが効果的です。
  • ウェビナーやライブ配信を併用することで、さらに深い関係性の構築が期待できます。

各手段の特性と選定基準

お客様の属性や興味、フォローアップの目的に合わせて、各連絡手段を上手に使い分けることが大切です。下記の表は、それぞれの手法のメリット・デメリットと、活用しやすいシーンをまとめたものです。

手段メリットデメリット利用シーン
直接電話対話によりお客様の詳細なニーズや課題が把握できる人件費や工数がかかる商談前に深くヒアリングが必要な重点顧客向け
メール大量送信が可能で自動化を活用すれば効率的なフォローが可能一斉送信の場合、個別感が薄れる可能性がある感謝連絡や情報提供、次回案内など
ダイレクトメール手元に残りやすく、特別感を演出できる作成や郵送にコストと時間がかかる重点顧客への詳細資料送付や特別プロモーション
SNS/オンラインリアルタイムに情報を共有し、双方向コミュニケーションが取れる効果が表れるまでに時間がかかり、継続更新が必要展示会直後の最新情報発信や定期的な関与

シンボル評価表

手段労力コスト訴求力
直接電話×
メール
ダイレクトメール×
SNS/オンライン

展示会フェーズごとのフォロー実践プロセス

事前準備:展示会前の戦略と基盤整備

展示会で効果的なフォローアップを行うためには、参加前の準備がとても重要です。以下のポイントを参考に、効率的な情報収集やお客様対応の体制を整えましょう。

項目内容
担当者選定と連絡手段の決定各フォローアップ手法に対して、あらかじめ担当者と実施方法を明確に設定しておく。
来場者ニーズに基づくアプローチ計画過去のデータや業界トレンドを参考にし、展示会参加者それぞれのニーズを分析して、セグメント別のアプローチ戦略を策定する。
ヒアリングシートとアンケートの整備お客様から必要な情報を確実に収集するため、チェックリストやBANT(Budget, Authority, Need, Timing)に沿った項目を用意し、記録漏れを防ぐ。
フォロー用コンテンツの作成お礼メール、製品紹介資料、セミナー案内など、各フェーズに合わせた資料を事前に準備。さらに、展示会ブースでの工夫(例:お菓子のキャッチゲーム、光るおもちゃの配布など)も後のフォローの話題として活用できます。
フォローシナリオの作成展示会終了後のタイムライン(例:翌日のお礼メール、2日後のフォロー電話、3回目のDM送付など)を具体的に計画しておき、各段階のタスクを整理する。

また、展示会当日は最新の名刺管理アプリを利用して、名刺情報を迅速にデジタル化し、データベースに反映させることで、後のフォローの精度を高めることができます。

イベント期間中の対応:リアルタイムな情報収集と接触

展示会開催中は、現地で得たお客様の情報を漏れなく記録するとともに、直接会話を通して具体的なニーズや課題を把握することが大切です。

取り組み内容
来場者との対話ブースで直接お客様とお話しし、ニーズや要望、課題などを詳細にヒアリングする。
名刺データの活用名刺スキャンアプリやその他デジタルツールを活用し、リアルタイムで情報をデジタル化して、迅速なフォローアップに備える。

展示会終了後のフォロー:感謝と次のアクション

展示会終了直後は、お客様に速やかに感謝の気持ちを伝えるとともに、次のステップへ誘導する連絡が求められます。

アクション項目内容
お礼メールの迅速な送信と工夫展示会翌日など、できるだけ早いタイミングで感謝のメールを送付し、面談の依頼や資料請求、セミナー案内など次のアクションへ自然につなげる導線を設ける。
顧客属性に合わせた連絡方法の実施事前にセグメント分けした各グループに対し、電話、メール、DMなど最適な連絡手段を選んで、個々のお客様に合わせたフォローアップを実施する。
自動連絡や定期便による継続アプローチマーケティングオートメーションツールを用いて、定期的なシナリオメールの配信などを行い、長期にわたる情報提供と関係強化を図る。

成果を生むフォロー運用のポイント

展示会後のフォローアップで持続的な成果を上げるには、一度きりのアプローチではなく、計画的かつ継続的な連絡が必要です。以下のポイントを意識して、展示会で得たリードを確実に商談へ結びつけましょう。

  • 展示会での自社ブースの特徴や製品・サービスの魅力をしっかり把握し、それに合わせたフォロー計画を立案する。ブースでのユニークな取り組みも話題にすることで、印象に残りやすくなります。
  • 収集した名刺情報やヒアリング内容を元に、お客様の関心度や購買意欲でリスト分けを行い、セグメントごとにカスタマイズしたアプローチを実施する。
  • メール、SNS、オンラインセミナーといったデジタル手法と、電話や対面での接触をバランス良く組み合わせ、信頼関係の構築を図る。
  • 展示会翌日のお礼メールから始まる具体的なタイムラインを設定し、各フェーズでのタスクを着実に実行するシナリオを作成する。
  • 一度のお礼連絡に終わらず、今後も定期的に情報提供や追加の連絡を行うことで、長期的な関係構築を目指し、最終的な売上アップにつなげる。

おわりに

展示会後のフォローアップは、単にイベント終了後のお礼をするだけでなく、戦略的なリード育成と商談創出へと直結する大事なプロセスです。事前準備による基盤整備、展示会中の丁寧な情報収集、そして終了後の迅速かつ多角的なアプローチ―これらすべてが後追い集客戦略の成功につながります。各連絡手段の特性をうまく活用し、計画に基づいたフォローアップを実践することで、展示会で得た接点を最大限に有効活用し、商機の拡大と売上向上を実現してください。

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